いつでもどこでも・あの人流
北アルプスの山々を撮影した後の
極上の一杯で心身ともにほっとひと息
山岳カメラマン 宮下秀仁さん
Interview
地元の北アルプスを中心に山岳地帯の撮影中はよくコーヒーをご持参するということですが、どのようなシーンで飲まれるのでしょうか?
宮下眺望が素晴らしい場所でシャッターを切って、満足ゆく写真が撮れたあとですね。僕が撮影に向かう北アルプスはどの山からも美しい景色を望めますが、3000m級の山々なので撮影ポイントに着くまでに登山の体力を使います。それでも、目的地に着いたら休憩よりもまずは撮影。インスタントコーヒーはいい写真が撮れた後、ひと息つけるタイミングで飲むのが一番です。いれたてのインスタントコーヒーの温かさが体中に染み渡りますし、カフェインのおかげで頭が冴える感じがしますから。ほかに、星空の撮影でもインスタントコーヒーは欠かせません。北アルプスなどの山での星空の撮影の場合は山小屋にお世話になりますが、基本的に晴れていれば寝ずに撮影していますので、夜通し同じ場所に居続けてシャッターを切らなければならないのです。真夏でも山中は寒いので、飲むのはホットコーヒー。撮影中に3~4杯は飲みますね。また、真冬の白馬村でも徹夜で撮影しますが、マイナス17℃くらいになるのでグローブをつけていても撮影中は寒さで手が痛いくらい。車に戻らないとほっとひと息つけないので、コーヒーを飲むのは車中ですが、これは極上の一杯です。
撮影に持っていくインスタントコーヒーは、どのようなタイプですか?
宮下スティックタイプを愛飲しています。僕は荷物が多くて、カメラはボディを3台、レンズも3本持って行くので、その他の登山装備やカメラのバッテリーや三脚2本も含めると25kgになります(笑)、ほかを少しでも軽くしなければなりませんから。とはいいながらも、家でもスティックタイプを愛飲しています。味がバラエティに富んでいて、甘さもさまざまあるので気分によって選べるところが便利ですね。
コーヒーは元々よく飲まれていたのですか?
宮下実は写真を撮るようになってから、飲むようになりました。2007年から写真をはじめて、本格的に北アルプスで山岳写真を撮りはじめたのは2011年なので40代も半ばになってからですね。それ以来、撮影中だけでなく家でパソコン作業をしている時もコーヒーが手放せなくなりました。特に星空はインターバル撮影(※)してパソコンで合成するので時間がかかるのですが、パソコンに向かうとなぜか眠くなってしまうため(笑)、眠気覚ましとしてインスタントコーヒーを飲むようになりました。
(※)時間間隔を設定して連続撮影する手法。20秒露出などの設定で写真を何百枚の単位で撮影した後に合成すると、星が流れている仕上がりになる。
インスタントコーヒーを飲むと目が冴えてシャキッとするんですね。
宮下どうもそのようです(笑)。コーヒーの思い出を振り返ってみると、小学校のころに遡るのですが……。同じ年の従兄弟の家に夏休みや冬休みは毎回のように長期で遊びに行っていたのですが、そこで夜になると祖母がインスタントコーヒーに温めた牛乳を入れたものをよく作ってくれましたね。砂糖もたっぷり入っていてまろやかな味わいだったのですが、「大人になった」気分でした。インスタントコーヒーには、はじめての“大人”な雰囲気を教えてくれた祖母の作ってくれた味とともに、目が冴えた従兄弟と夜ふかしして遊んだ楽しい思い出がありますね。
Afterword
- 撮影中に飲むのはブラックではなく微糖。疲れた体にはほんのりした甘さがちょうどいいです。保温ボトルにお湯を入れていくか、ガスバーナーでお湯をわかして、インスタントコーヒーを作っています。
- 早朝から動いたり、夜通し撮影したりすることもあるので、十分な休息をとっていても運転前は眠気覚ましとしてインスタントコーヒーを飲むこともあります。
Profile宮下秀仁さん
長野県出身。日本山岳写真協会会員。2007年に購入した一眼レフをきっかけに、本格的に撮影をはじめる。当初は色々な写真を撮っていたが、様々な人との交流のなかで本当に撮りたい被写体を考える機会を得て山岳写真をメインとして、信州の桜や白馬村などを撮影している。トレードマークの“赤い服”で地元・北アルプスを中心に四季折々の風景を撮影する。
[信州写真館]http://shinshuphoto.com/
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